とりあえず今回の中間考査における塾生の5教科の点数が出そろいました。5教科合計の平均点は451点です(小数点以下切り捨て)。もちろん全員が自己最高点を更新しました。教科ごとの平均点を見てみると、国語83点、数学98点、社会94点、理科93点、英語81点です(小数点以下切り捨て)。5教科合計では前学年の期末考査から一人平均47点upしました。今回の学習会のテーマは、「過去最高の成績を取るために、過去最高の努力をする」でしたが、結果として過去最高の成績を取ることができました。本当によく頑張りました。
さて、褒めるのはここまでです。反省していきましょう。教科ごとの点数を見てまず始めに思うことは何ですか?おそらく、「国語」と「英語」の点数が低いということではありませんか。どちらも80点を超えていますし、学校の中での平均点も軽く超えていますが、こう並べてみるとどうしても見劣りしてしまいます。決して問題が難しかったわけではありません。私はテスト問題を見ましたが、あの程度の問題であれば90点以上は取るべきです。ではなぜ80点台にとどまってしまったのか、今日はそれを分析していきましょう。
まずは塾の授業における反省です。塾では「教科書準拠」のテキストは使っていません。学校で時間をかけて教科書内容の指導をして、教科書準拠のワークももらっているので、それに加えて塾でも「教科書準拠」のテキストを使う理由が見当たらないからです。それゆえ塾の授業では国語では現代文の読解、英語では文法の指導を中心にしており、必然的に学校の授業との関連性は薄くなります。学校では現在完了の説明をしているのに、塾では受動態の説明にすら入っていないということが起こるということです。今回の英語のテストでは教科書で取り扱う文法事項の間違いが多くありました。次回のテストに向けて、文法の指導のやり方を模索してみようと思います。
そして生徒の勉強における反省です。最大の原因は紛れもなく「勉強量の少なさ」にあります。客観的に見て国語や英語を勉強している時間が少なすぎました。言語系の科目は、学校の授業で内容をある程度把握できますので、「それほど対策しなくても何とかなるだろう」「ワークだけはやって、あとは本番で頑張ろう」と思いがちになります。そして実際、「大丈夫だろう」「何とかなるだろう」で本番に臨んでうまくいかなかったのです。2週間の塾生の勉強を間近で見ていて、数学や理科はそこそこいい点を取ってくるだろうという確信がありましたが、国語と英語に関してはあまり期待が持てませんでした。勉強時間が少なく、ワークや問題演習でもミスが多かったからです。特に英語はボロボロになるのではないかとさえ思っていました。そして返ってきた英語の点数はボロボロです。81点という数字だけ見ると、普通は「頑張った」と言えるかもしれませんが、生徒は80点程度の点数を目指していたのではありません。全員が90点以上を目標としていました。しかし結果は目標よりも10点以上低いものでした。もちろん塾生は国語や英語の点数に対しては悔しさを持っています。「もっとできたのに」と思っているでしょう。ですがそんな生徒たちに私は同情などしません。誤解を恐れずに言うと、私は同情どころか、点数が低くて良かったと思っています。点数を取るための十分な勉強をしなかったのです。その程度の勉強しかしていないのに、高得点を取ってしまった日には、きっと「英語ってちょろいな」「国語なんて勉強せんでも余裕やん」と思ってしまうでしょう。今回の失敗をうけて、「定期考査は十分時間をかけて勉強しなければ高得点は取れないんだな。次は絶対に満点を取るための勉強をするぞ!」と思えるのであれば、この失敗は活きてくるでしょう。定期考査というものは失敗をしても取り返すチャンスはすぐにやってくるのです。であれば、小さな失敗も、重大な失敗も、次の機会にすべて活かすことができたら、失敗は失敗ではなく、大きく飛躍するためのバネとなります。だから失敗すべきときには大いに失敗させることも重要です。
青凜館では定期考査対策授業や過去問の配布を行いません。定期考査の2週間前から授業をストップし、各自計画を立てて、それに基づいた自学を行います。指導者が学習計画を立ててペースメイクしたり、定期考査の過去問を配ってあげれば、子どもたちは定期考査に向けてやるべきことを自分の頭で考えなくても済むでしょう。大人も「何とかして結果を出させよう」と思うあまり、何でもやってあげたくなります。しかし定期考査の勉強において、失敗させまいと無意味な優しさや甘やかしを与えることは禁物です。子どもたちはいずれは自分自身の力で自分の将来を切り開いていかなければならないのです。自分の頭で「優先順位をどうしよう」「これをやるのに時間はどのくらい必要だろう」「自分には何が足りないんだ」「これを改善するためにはどうすればいいだろう」などと能動的に考える力が社会では不可欠です。対策授業や過去問などのドーピングを与えなくとも、教科書を正しく学び、ワークを完璧にし、学校の授業プリントを覚え、類題をこなせば5教科450点程度は取ることができます。大人が余計なことをするから、子どもの成長が阻害されることもあるのです。もし子どものためにいろいろやってあげたいのならば、それはテスト前ではなくテスト後にやるべきです。そしてテスト後にやるべきことは「褒めること」です。青凜館生に限らず、これまで見てきた多くの中学生は「親から褒められたい」と思っています。成長を重ねるにしたがって、「親」から褒められることは少なくなります。そして減った分だけ耳の痛いことを言われる機会が多くなるでしょう。そうはいっても子どもはどこまで行っても親の子ですので、親から褒められることに大きな喜びを感じるものです。「この前のテストの点数を親に言ったらすごい褒めてくれた」と話してくれる生徒の表情は、この上ない充実感に満ちています。ですから、テストの過程や結果に成長が見られるときには、遠慮せず褒めてあげてください。「こんな簡単なところで間違っているじゃないか。ちゃんと勉強したのか」と言いたいところもあるでしょうが、まずはそこをぐっとこらえて褒めることだけに専念してください。親の褒め言葉は、私や学校の先生からの褒め言葉とは比較できないほどやる気を生みだす魔法の言葉なのです。