2024年9月10日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

模試結果のどこを見るか

塾に通っている子は、塾で外部模試(県模試や一斉模試)、あるいは大手塾だと塾の内部模試を受験することでしょう。塾に通っていない子も、学校でフクトのテストを受けたり、自分で外部模試を申し込んだりすることができます。そこで問題になるのが、「一体、帳票のどこを見ればよいのか」ということです。もう少し具体的に言うと、「どの項目がその子の実力を反映しているところなのか」「結果をほめるべきか、結果を反省させるべきか」ということです。

 

まず、どの項目がその子の実力を反映しているかという点ですが、それは「偏差値」です。そのテストを受けた子の平均点が偏差値50に該当するので、これより上なのか、下なのかは見ておくべきでしょう。50を上回っていれば平均的な中学生よりも成績が良くて、50を下回っていれば平均的な中学生よりも勉強ができないと考えることができます。また、ほとんどすべての模試で5教科総合の偏差値が出るとは思います。「受験は5教科だから、5教科総合偏差値は大事ですよね?」と子どもたちは言いますが、この時期に5教科の偏差値は気にする必要はありません。5教科総合のことを考えるのは受験直前の1~2月で十分です。それに5教科偏差値にこだわりすぎると、各教科の問題点がぼやけてしまうので、この時期は教科ごとの偏差値を見て、具体的な問題点をあぶりだしていくべきでしょう。

ここまで、模試が返ってきたら偏差値を見なさいといっていますが、私自身は「偏差値」ほど厄介なものはないと思っています。偏差値というものはその時その時の空気のようなもので、タイミングや状況によって変化します。前回のテストで偏差値55だった子が、偏差値57に上がったら、「実力が伸びている」という判断ができるかと言われれば、それは難しいでしょう。また、偏差値60だった子が偏差値56に下がったから、成績が悪くなったと断言できるかと言われれば、そこもまた難しいでしょう。偏差値はというものは決して絶対的な学力を表すものではなく、「そのテストにおいては、君の立ち位置はそこだよ」と示してくれているにすぎません。教材会社がまとめている資料で、各高校の受験者の偏差値の推移が見られるのですが、偏差値50→53→56→60→65のような理想的な右肩上がりの子はいません。ほとんどが偏差値56→52→54→55→53のような推移です。勉強を頑張ったら偏差値が上がることを期待しますが、自分だけでなく周りも頑張っているので、相対的な学力は大きく上がりにくいのです。それに、学校ですべての中学生が受験するのか、塾に通っている子だけが受験するのか、あるいは、どの規模の学習塾が参加するのかによっても偏差値の出やすさは違うのです。

では、より正しく学力を判断するものは何なのかと聞かれれば、それが子どもたちが通う学習塾の指導者ということになるでしょう。指導者は日常の子どもの細かな勉強の様子を見ています。問題を解くスピード、ミスの多さ、日ごろの勉強量、勉強の丁寧さ、教科の得手不得手、その得手不得手の中でのさらに細かい得手不得手など、成績帳票に現れない、リアルな学力を知っています。それ故、自分の大まかな立ち位置は「偏差値」で判断し、より詳し立ち位置の判断に関しては、学習塾に委ねるのがいいのではないでしょうか。

 

つぎに「結果をほめるべきか、結果を反省させるべきか」という点ですが、これは簡単です。家庭ではほめてあげてください。ほめるといっても「うわぁ~、〇〇くん数学が5点も上がってすごいねー。このまま頑張ったら、トップ校にいけるかもねー。」などと、大袈裟にほめる必要はありません。専門的なことは言わず、「〇点上がったんだね。頑張った甲斐があったね。」「前までここで間違っていたけど、今回は正解が多くなったね。」と言うだけで十分です。もしそこで、「また点数下がって、ちゃんと勉強しないからでしょ!」とか「前までこの問題できていたのに、今回は間違い多いね」などといわれると、子どもはうんざりします。もしお子さんが塾に通っているのならば、ご家庭では、できているところ、あるいはできるようになったところに注目してあげてください。できるところを見つけて、言ってあげるのは何も難しいことではありません。子どもも認められて嫌な気持ちはしないでしょう。もし成績の悪い科目があったとしても、「数学はこれから頑張っていこうね」ぐらいの言葉で十分です。できないところを指摘したところで、正しい解決策を提示できますか?子どもに「どうやって勉強したらいいのか教えて」と言われて、「学校の授業をちゃんと受けなさい」程度のことしか言えないのであれば、はじめからできないところの指摘は控えましょう。できないところは塾で十分指摘します。テスト結果をきちんと反省させ、そしてその対策を施していきます。「ご家庭ではできるところを追いかけ、塾ではできないところを追いかける」これがいいのではないでしょうか。

中3生はこれから模試を受ける機会が多くなりますが、結果に一喜一憂しすぎることなく、やるべきことをしっかりと受け止めていきましょう。

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