2024年9月8日
  • 須恵町にある高校受験専門学習塾

やるべきこと溜めるべからず

掃除でも勉強でもなんでもそうですが、常に物事を溜めてしまう人というのがいます。これは子どもに限らず、大人の世界にも一定数いて、そういう人に限ってろくな仕事ができません。大人に比べてやるべきことが圧倒的に少ない子ども時代に、「物事の処理方法」「優先順位のつけ方」というのを身につけておくべきだと考えています。今日は勉強を早く、効率的に処理する方法のヒントを説明します。夏休みの宿題などを想像するといいでしょう。

 

まずやるべき課題を3つに分類します。

①:すぐに終えることができること(数分~1時間程度)

②:かなりの時間を要するもの(数日)

③:適度に時間を要するもの(数時間)

 

まずは①の短時間で可能なものに取り組みます。そもそも取り掛かりが遅かったり、完成が遅い人は、「最初に手をつける」という段階が他人よりもワンテンポ遅れます。「やる」と「やらない」の間でいつまでもグズグズしているのです。ですので、比較的ハードルの低いものに取り組むことで、「やる」という選択肢をとりやすくなりますし、また短時間で終わるためにストレスのかかる時間も少なくて済みます。何より多少であっても「課題が減った」という事実は、自らを前向きにして、推進力を生み出します。夏休みの宿題であれば、「夏休みの友」などの取り組みやすい課題がこのカテゴリーにあたるでしょう。

 

次に②に取り組むのが重要です。「時間がかかるから」と後回しにするのと先に済ませるのでは、後者のやり方を見につけておくべきです。大人でも時間がかかると分かっていながら始めるのが遅れて、結局、完成しない、あるいはとりあえず形だけ整えましたというものしか作れない人がいます。余裕をもって、完成度の高いものを目指そうと思うならば、時間がかかるものは早めに始めるべきなのです。例えば「読書感想文」や「自由研究」は早い段階でテーマを決めて、構成を立て、じっくり内容をつくっていくことで、十分に評価に値するものにすることができます。

 

③の中途半端に時間を要するものは最後に行います。最後というよりも②と並行して行っていくといったほうがよいでしょうか。「作文」「ポスター作製」などは、この日と決めて一気に終えてしまうのがいいでしょう。話は変わりますが、国語の課題で「プリントにひたすか漢字を書かせる」、英語で「プリントにひたすら英単語や英文を書かせる」というものがありますが、あれにいったいどんな価値があるのか、というのが正直なところです。「数学の計算問題をひたすらやらせる」というのは分かりますし、計算を早く正確にするのは重要です。しかし、漢字や英単語をひたすら書かせたところで子どもたちは覚えますか?こんな生産性の低い課題ではなく、そろそろ子どもたちの実力になる課題を与えてほしいと思うのです(そもそも学校は夏休みの宿題で子どもの学力の向上を目指してはいません。内容を見れば明らかでしょう。なぜそんな無駄に思える課題ばかりを出してくるのでしょうか。それは学校は成績を上げるところではなく、成績をつけるところだからです。内容などよりも自分が与えた課題を「やった」か「やっていない」かが重要なのです。ですから子どもたちは成績をもらうためには、無意味にも思える与えられた課題をやらなくてはいけません。そんな課題が面倒くさいと思うのならば選ぶ道は3つです。一つは課題から逃げて評価を落とす道。一つは課題を面倒くさいから適当にやって評価をもらう道。一つは面倒くさいからこそ早く終えられるように自分を高め、なおかつ評価をもらう道。「課題が多い」とか「こんなことやって意味あるの」と子どもから言われることなど学校の先生は織り込み済みです。そこでどのような道を選ぶかが問われていると思うべきでしょう)。

 

以前も「掃除が苦手な人」で述べましたが、小さなことを面倒くさがってはいけません。ごみが落ちているのに面倒くさがってその場で拾わずにいると、いつしか他のごみにも無頓着になって「ちりも積もれば…」という状態になってしまいます。勉強も同じでちょっとしたつまずきをその場その場で解決していくことで、知の負債を溜めることなく入試演習へと突入できるのです。まずは今すぐできること、短時間で終えられることに取り組む習慣をつけましょう。でなければ長い受験勉強など乗り越えることはできないでしょう。

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